3Dプリンター(ALUNAR M518)のベッドをヒートベッドに改造する
以前自律移動ロボットの試作機を作成しましたが、見た目を格好良くしたいため、アルミでボディを作成しなおすことにしました。
そのためにアルミの加工が必要で、ミニテーブルソーでアルミを切削しようと考えています。
ミニテーブルソーを使用するための治具が欲しくなり、ほとんど使用していなかった3Dプリンタ(2018年頃購入)で治具を作成することにしました。(まだまだロボット作成までの道のりは遠いです…)
問題点
3Dプリンタで試しにテストデータを成形してみると、下図のように部品が必ず反ってしまいます。
反りの原因を調べたところ、下記のようなものが見つけられました。
- PLAフィラメントの吸湿
- ベッドとノズルの位置関係
- 一層目を成形する際にはノズルファンを止めておく
- ケープやマスキングテープの使用
- ベッド温度
上から順に調べていったのですが、上4つはどれだけ改善しようと、フィラメントの反りは変わりませんでした。
解決策(ヒートベッドに改造)
結論としては5つ目のベッド温度を調整することにより、反りを解決できました。
ただし、私が購入した3Dプリンタ(ALUNAR M518、現在Amazonでは取り扱いしていないようです)にはヒートベッド機能がなかったため、ヒートベッドを別途購入するか、自作でヒートベッドを作成する必要がありました。
※後継機であるALUNAR M508にはヒートベッド機能が追加されていたようです。ただしこちらも現在Amazondでは取り扱いされていません。電子機器を購入するときは、アフターサポートなども考慮したほうが良いですね…。今回は値段に目がくらみ、中国製の安価な3Dプリンターを購入してしまったので失敗でした。
最初はヒートベッドを購入しようと考えたのですが、ALUNAR M518に適合しそうなヒートベッドはなく、自分で温度制御のための電子工作をするのも時間がかかってしまうため諦めました。
そこでなるべく時間をかけず、ベッドを温める方法を探しました。その結果注目したのが、フィルムヒーターです。電圧、電流によって、ある程度一定の温度まで上昇してくれるフィルムです。私は下記ヒートラボ株式会社さんのアルミ箔フィルムヒータ(AL-A5-30-3.3A)を購入しました。
電圧制御に関しては、PLAフィラメントの推奨ベッド温度(約50~70℃)にするために、フィルムヒータに9Vを印加する必要があったのですが、9Vの角型乾電池では定常的に流せる電流値が足りませんでした。(AL-A5-30-3.3Aでは、9V時は2.28Aの電流が必要となっています)
そこで下記のACアダプタを購入しました。3V~12Vまでの電圧を出力することができ、最大3A流すことができます。
実際こんな配線になりました。
フィルムヒータを既存のベッドに両面テープでしっかり貼り付け、フィルムヒータと配線をはんだ付けし、ACアダプタに接続しています。
ノズル用の温度計を外し、ヒートベッドにあててみるとしっかり60℃になりました。
ヒータのON/OFFを自動で行うことはできませんが、3Dプリンタを稼働させている間は、常に家に居るようにしているため問題ありません。
ヒートベッドを用いたプリント結果
自作したヒートベッドを用いて、プリントした結果がこちらです。
ヒートベッド使用前と比べると格段にきれいにプリントできるようになりました。ヒートベッドってこんなに効果があるんですね。
試行錯誤について
反りに対しての効果があったのかは分かりませんが、ヒートベッド以外に下記のシートを使用しています。
また、今の手持ちのフィラメントが吸湿してしまっているために反ってしまったのではないかと思い、下記のPLAフィラメントを購入して、プリントの具合を比較しました。
結果としては造形物の精度や反りは変わりませんでしたが、少量のフィラメントがワンコイン以内で買えるのは良かったです。お試しで印刷を試すことができます。
まとめ
3Dプリンタのベッドにフィルムヒーターを張り、ヒートベッドに改造しました。
ACアダプタと合わせて3500円くらいでできました。もし手持ちの3Dプリンタにヒートベッド機能がなかった場合は、試してみてください。(最近の3Dプリンタはヒートベッド機能がついているものだとは思いますが…(笑))
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