令和6年度秋季 エンベデッドシステムスペシャリスト受験記

プロフィール

私は業務で組み込みシステムを扱い始めて5年目の社会人です。(とはいえ組み込みシステムの小修正の対応ばかりで、がっつり1から設計したことはありません…)
持っている資格は応用情報技術者のみで、2年前、エンベデッドシステムスペシャリストを受験しているのですが、あまり対策に力を入れていなかった午前2で落ちてしまいました…。

翌年もう一度受験しようとしたところ、令和5年度の出題形式の変更により論述が追加されたため、敢えなく断念。
一年間準備し(実際にずっと勉強していたわけではありませんが笑)、満を持して今回2回目のエンベデッドシステムスペシャリストを受験したわけです。

勉強方法

前置きですが、今年からパパになり絶賛子育て中だったため、勉強時間を工夫して捻出する必要がありました。
全体的に時短して対策していたため、お時間ある方はぜひもっと時間をかけて対策されることをオススメします!

午前I、午前Ⅱ

応用情報技術者試験を受験してから2年以上経過してしまったため、午前Iから勉強が必要でした。

午前I、午前Ⅱの作戦は、「隙間時間にひたすら過去問を解く!」です。

私は通勤で電車を使っており、片道10分ほどかかるため、この時間を有効活用することにしました。
原則、行きの10分で午前Ⅱの過去問を解き、帰りの10分で午前Iの過去問を解くことにしていました。最終的には会社の昼休みや夕食後に子供を風呂に入れるまでなど、少しでも空き時間があればポチポチ勉強していました。

これを7月末から3ヶ月ほど続けたことで、エンベデッドシステムスペシャリスト当日までに、午前Ⅰは7割程度、午前Ⅱは9割9分は答えられるようなっていました。(午前Ⅰは対策足りてなかったです…)

参考Webサイト・アプリ

勉強に使用していたWebサイト、アプリは下記です。

  • 午前Ⅰ

応用情報技術者 過去問道場
https://www.ap-siken.com/s/apkakomon.php

お馴染みの過去問道場です。「★おすすめ」で絞り込みされる、5年分の過去問をひたすら解きました。

  • 午前Ⅱ

エンベデッドシステムスペシャリスト試験 午前Ⅱ対策(iOSアプリ)
https://apps.apple.com/jp/app/%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%83%99%E3%83%87%E3%83%83%E3%83%89%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%A0%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%88%E8%A9%A6%E9%A8%93-%E5%8D%88%E5%89%8D-%E5%AF%BE%E7%AD%96/id6450394453

反復学習のスケジュールを組んでくれますし、苦手問題の一覧化もしてくれるため使いやすかったです。計画から大幅にずれてしまっていたことが見て取れてしまいますが、こんな感じで勉強していました。

参考書籍

分からない問題等あれば、ネットで調べたり、下記の本で復習したりしていました。

午後Ⅰ

午後Ⅰはお盆明けから対策を始め、令和5年度の90分の問題を1問、令和4年度以前の45分の問題を3問解きました。
令和4年度以前の午後Ⅱ相当である120分の問題はまとまった時間が確保できず解くことができませんでした…。
ただ、45分の問題で問題を解くスピード感を養い、90分の問題で本番と同様の時間を意識した練習ができたと思います。

あと当たり前かもしれませんが、採点後は間違えた箇所をどうして間違えたのか時間をかけて考えるようにしていました。
その結果、そもそもシステムを誤って解釈していることが多く、自分が良く知っているジャンルのほうが理解し易く高得点につながる傾向にあることが分かりました。

書籍は上記と同様に「情報処理教科書 エンベデッドシステムスペシャリスト 2024~2025年版」を使用していました。

午後Ⅱ

午後Ⅱは6月ごろから対策を始めました。

論述問題が初めてであったため、まずは時間がかかっても良いから過去問を1問解いてみようとしましたが、全くと言って良いほど書けず、筆が途中で止まってしまいました。(モチベーションが維持できていなかったためこの時点で8月になっています。)

書けなかった理由は、①論述の書き方が良く分かっていなかったことと、②そもそもエンベデッドシステムスペシャリストの過去問にあるような経験ができていなかったからです。

これに危機感を覚えて、①と②それぞれに対して対策を考え実施しました。

①良い論述の書き方が分かっていない

論述対策には下記の書籍が良いという記事を読んだため、下記書籍を購入することにしました。

最新の第2版に改定されたのが令和2年であったため、エンベデッドシステムスペシャリストの論述については述べられていませんでしたが、高度試験の午後Ⅱに共通する、論述における書くべきことや観点、読み手に伝わりやすい文章を書くテクニックや文字数などなど述べられており、良い論述の書き方を学ぶことができました。

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②エンベデッドシステムスペシャリストの過去問にあるような経験ができていない

①よりも困ったのがこちらの問題でした。経験がなければそもそも論述するのが難しいですし、エンベデッドシステムスペシャリストの論述は、サンプル問題が1問、令和5年度の過去問が1問あるだけで、傾向が掴めず対策しにくいという問題がありました。

そんな中で立てた午後Ⅱの作戦は「システムアーキテクトの午後Ⅱ対策をする!」です。

実はエンベデッドシステムスペシャリストの問題改訂に伴い、システムアーキテクトとITストラテジストから組み込み系の論述問題が移動してきており、午後Ⅱの3問のうち、1問はエンベデッドシステムスペシャリスト、1問は従来のシステムアーキテクトの組み込み系相当、1問は従来のITストラテジストの組み込み系相当となっています。そのため、ITストラテジストやシステムアーキテクトの組み込み系相当の問題は過去問が沢山あるわけです。

私の場合はシステムアーキテクトの組み込み系でしたらいくつか書けそうなテーマがあり、過去問を見ることで傾向も掴みやすかったためシステムアーキテクトの午後Ⅱ対策に注力して対策することにしました。

妻にも協力してもらい、試験直前の金曜日、土曜日に時間を確保できたため、書きやすいテーマ(R4)および頻度が高く出題されている下記テーマ(H29、H26)を解き、超特急で対策しました。過去問を見るとセキュリティや機能分割の他に、基盤要素の選定も頻出でしたが、令和5年度の試験で基盤要素らしきテーマの問題が出ていたため、2年連続で同じようなテーマになることはないと考え、解く対象から除きました。

  • R4:IoT、AIなどの技術進展に伴う組込みシステムの自動化
  • H29:IoTの進展と組込みシステムのセキュリティ対応
  • H26:組込みシステムの開発における機能分割

3年分の過去問を解いて、ようやく書き方のコツや、書く速度の感覚を掴めた気がします。

システムアーキテクトの午後Ⅱ対策は書籍は下記を使っていました。本を買いすぎているようにも思いますが、ここで紹介した全ての書籍が合格するための必要十分だった気がします。合格発表はまだ先ですが、お金がかかる資格でした…。

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試験当日

不安要素も多い状態でしたが、試験当日になってしまいました。私の試験当日の対応を紹介します。

午前I

5年分の過去問対策していましたが、見たことがない問題が多かったです。

午前Ⅰで落ちたら洒落にならないので、5年分の過去問の正答率を7割程度ではなく9割以上にしておくことを強くオススメします。私は後悔しながら解いていました。

午前Ⅱ

4割ほどは見たことがある問題だったと思います。見たことがある問題は瞬時に解き、見たことがない計算問題に時間を費やすことができました。少し気分が落ち着きました笑。

午後Ⅰ

過去問を解いた結果、自分がよく知っているジャンルの方が、システムを容易に理解でき高得点につながることが分かっていました。

令和6年度は空飛ぶクルマと害獣監視システムに関する問題だったため、迷わず空飛ぶクルマを選択しました。(害獣監視システムとはなんぞや…)

その結果、時間内に一通り回答を埋めることはできました。60点超えますように。

午後Ⅱ

午後Ⅱはシステムアーキテクトの組み込み系相当の問題(問2)の対策をしていたのですが、エンベデッドシステムスペシャリストの問題(問3)の方も書けそうなテーマであるという、予期せぬ幸運に恵まれました。

比較してみたところ問3の方が書きやすかったため、結局問3を選択することにしました。

時間配分としては、最初の5分で問3を選択し、そこから20分ほど全体の構成を考えてから書き始めました。

というのも、後から方向修正しようとすると逆に時間がかかってしまうことを、過去問を解いていた際に体験していたため、なるべくおおまかな方向性を固めてから解くようにしていました。

そのおかげもあり、ぎりぎり2時間で書き切ることができました。やっぱり手は痛くなりますね。手書きでは二度と論述したくないので、受かっていることを願うばかりです。

所感

私の会社では、エンベデッドシステムスペシャリスト等の資格をとったとしても、昇給などはありません。

自分の実力確認かつ、今後もし転職する際に有利になるようにしておくことが目的で試験勉強を始めましたが、意外にも論述問題を解くことで組み込みシステムを設計する際に念頭に置いておくべきことの理解が深まり、自身の成長にも繋がりました。

試験対策は時間がかかりますが、少しでも得られるものがあれば嬉しいですね。後は合格さえ得られれば言う事なしなので、合格というクリスマスプレゼントを待つことにします。

(自己採点の結果午前Ⅰ、午前Ⅱは6割超えてました!)

最後に

長くなってしまいましたが、ここまで読んでくださりありがとうございます。

勉強に使用した書籍のリンクを改めて貼っておきますので、良ければ参考にしてください。

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